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第22話 朱莉㉒

مؤلف: けもこ
last update تاريخ النشر: 2026-07-05 13:26:13

「蒼也は‥‥」

「朱莉は‥‥」

同時に発した言葉に、お互い譲り合って沈黙する。

ダメだ、可笑しくて、笑ってしまった。

「もう、なんなの。あはは」

笑い声が緊張を溶かしてくれた。

彼が少し目尻を赤くして、嬉しそうに見つめている。その様子が、昔と何ひとつ変わっていなくて、ずるいなと思う。

「エスモード・デザインは、蒼也の会社なの?」

「あぁ。とは言っても、事務も含めて従業員は3人だけの小さい設計事務所なんだけどね。手伝ってくれる人に給料を払う建前上、法人化しただけって感じ」

「……宮崎のご実家の会社は、今は手伝っていないの?」

踏み込んでいいかどうかはわからないが、聞きたいと思った。

「実家の工場は、会社を畳んだんだ。その……経営状況が芳しくなくてね」

「すぐ東京で起業したの? ずっと宮崎にいると思ってた」

「いや、今の会社は2年前に立ち上げたんだ。それまでは……色々な仕事をして。宮崎には4年位いたかな。実家の整理もあったし、色々なしがらみであちこちに行ったよ」

建築に関係する仕事に戻ったのは、3年くらい前。知り合いの設計事務所で働いて、コンペの出品を再開したらしい。少しずつ個人へ
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  • 無くした恋のその先へ ~この恋を忘れたふりはもうできない~   第46話 相思②

    「ひーちゃん、ど、どうしたの?」凍り付いた空気の中、縋りつく聖の顔を見ると、唇をぎゅっと嚙みしめていた。 その可愛い唇に傷がつきそうで、胸が痛む。「ずっと考えてた。あーちゃんと結婚したいって」聖は、私の腕にしがみついたまま、ぽとりぽとりと膝に涙をこぼし始めた。「このまま、あーちゃんが誰とも付き合わず、ずっと一人のままだったら、絶対に言おうって思ってた」キヨが我に返ったように声を上げた。「ちょ、ちょっと待って。聖は、姉ちゃんのこと好きやったん?」 「あたりまえじゃん。あーちゃんが世界で一番好き」――聖の「好き」って、そういう意味だったの?「え?じゃあ、 俺のことは?」 「……恋人として好き」場の空気が再び固まる。「ごめん。俺、頭悪いから整理させて。聖は、自分の姉ちゃんと結婚したいってこと?」 「そうだよ。こんな“おっさん”にあーちゃんを渡せるわけない」聖が、蒼也の方をキッと睨みつけた。 なんともいえない空気の中、カタカタとふすまが開き「お鍋のご用意をしますね」と店員が声をかける黙って鍋の準備を見つめていると、ふと蒼也の沈痛な表情が目に入る。 店員が去り、私は聖を見つめ直した。「ひーちゃん……私と結婚したかったの?」 「そうだよ。だって……」聖の瞳がまた潤む。「あーちゃんと僕は、本当の家族じゃないじゃん」言いながらボロボロと涙を流す。涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔さえ愛おしい。「あのクソ野郎とクソばばぁがちゃんとしてないから、僕とあーちゃんには繋がりなんてない」真っ赤な顔でグズグズと鼻をすすりながら泣く聖を見て、胸が締めつけられる。進学や就職のたびに書類に記される、遠い母親の名前。 私と聖の間には法的な繋がりが何もない。 もしどちらかが大病をしたら――そう考えては、ずっと胸の奥で不安を抱えて生きてきた。「だから、あーちゃんがこいつと結婚し

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